経理の仕事の一つとして考えられているのが「請求書の発行」
でも必ずしも経理が行わなければならない仕事ではありません。
なぜ請求書発行が経理の仕事と思われているのか?
主に2つの情報を把握するためです。
・売上計上
・資金繰り
・売上計上
多くの会社は「請求書の発行=売上計上」として扱っていると思います。
※実際に異なる場合もありますが・・・
つまり、経理にしてみると
『各部署からの依頼を受けて請求書発行する』=『売上情報を知る』
となるわけです。
・資金繰り
請求書には多くの場合、「支払予定日」を表記しています。
※ないものももちろんありますが・・・
法人相手の場合、多くは契約に基づいて支払予定日が決まっています。
請求書を発行側が勝手な支払予定日を請求書に表記したところで、それに基づいて入金してくれるわけではありません。
ただ、取引先によっては、基本契約で支払日を決めず、案件ごとに個別で取り決めを行うものもあります。
そういった理由もあり、請求書に入金予定日を表記して発行してある方が便利です。
直近の資金繰りについては、請求書に表記した入金予定日を目安に計画をします。
経理を必要としない仕組みを作る
経理が請求書を作成しなくても、売上情報と入金情報などの欲しい情報が確認できる仕組みがあればいいのです。
以下の表は、私が行った運用方法の変更についてのざっくりとした比較表です。
以前 | 現在 |
各自Excelで『請求書発行依頼書』を作成 | ワークフローシステムに請求内容を登録する |
上長の承認を得る | 上長の承認を得る |
経理に『請求書発行依頼書』を提出 | |
経理のデータベースに登録し、請求書を作成 | |
請求書は担当者や営業事務へメールで通知 | 請求書を各自で発行する |
これによって経理の状況を確認せずに請求書を発行することが可能になりました。
請求書発行の手間を各担当者に手間を押し付けたと思われるかもしれません。
でも各担当者から楽になったと好評です。
(最初はぶーぶー言われましたが・・・)
私の会社はさまざまな業務があります。
コールセンター業務もあり、24時間365日のシフト勤務です。
経理は土日祝日が休みの勤務です。
コールセンター業務の担当者は、毎月月末で一ヶ月の対応内容をまとめた報告書を提出するのと合わせて、請求書を出します。
もし経理が休みで請求書が発行できないと報告書の提出が遅れます。
しかし、これによって経理のことを気にすることなく、いつでも請求書を発行することが可能です。
(上長の承認は必要ですが・・・)
経理は紙でもらった書類をデータベースに登録して、請求書の発行という手順になります。
入力間違いが起きる可能があります。
様々な部門から書類が集まりますので、すぐに請求書を発行できるわけではありません。
各担当者でできるのであれば、上記のようなことは生じません。
あと人に依頼するのってけっこう面倒だったりしますから。
また承認も依然は印鑑で承認印をもらっていましたが、変更後は電子印になりました。
申請者はワークフローのWEBフォームに登録したら、申請を押すと承認依頼が上長へ通知されます。
上長は通知されたメールからフォームを開き、内容を確認して承認します。
紙で書類を回す必要がなくなりました。
承認者は承認待ちの書類が机の上に山積みになることもなくなりました。
経理が請求書を作成しない仕組みに変更したら、他にもさまざまなことが効率的になりました。
では経理がまったく関与しないかというとそういうわけではありません。
上長が承認した後、経理へ通知が来ますので、不備がないかを確認します。
以前→請求書発行前に上長と経理の2回確認
現在→請求書発行前に上長が確認、請求書を発行後に経理が確認
まとめ
請求書を発行することが目的ではなく、請求書を発行することによって得られる情報こそが目的です。
実際のところ、売上金額や入金金額以外にも経理が知りたい情報は色々あります。
・売上の計上部門
・担当者
・案件名
・売上計上の基準となる日
会社によって必要となる情報は異なります。
基本的には、必要となる情報が漏れることなく取得できる仕組みになっていれば、経理が請求書の発行をする必要がないわけです。