読書のメモ書き

二君に仕えた奇跡の人材-榎本武揚

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今の日本が置かれている世界の情勢を考えるときに、そもそも日本ってどういう国なんだろうかと考える事がある。
明治、大正、昭和と近現代においてどのように日本が作られていったかを知らないといけないんじゃなかろうかと。
今更と言えば今更なんですが、改めてそこらへんの事を勉強しようかなと思ったわけです。

「榎本武揚」
正直よく知らない。
昔、学校の資料集を見た時に、幕府側にもいるし、新政府側にも役職で入っている人がいると思った記憶があるくらいだ。
その時はそれがどれくらいすごいことか理解していなかったわけですが。

少し知っている人だと「二君に仕えた者」というネガティブなイメージが強いらしい。
しかし、本当のところは有能すぎてなんとしてでも新政府で働いて欲しかったという人物であったという。

榎本武揚のことを書く人が伝えたいエピソードは多々あるが、もっとも書きたいのは「海律全書」であろう。
五稜郭の戦いで黒田清隆が維新側として幕府側の榎本武揚に降伏をすすめた。
それを断り、しかし戦いによって「海律全書」が燃えることを惜しんで黒田に譲った。
感動した黒田は弾薬不足であれば送ろうかと伝え、弾薬は十分あるから不要と断った榎本にならば酒をと送った。
「海律全書」はこれからの外交世界に必ず日本の役に立つからと、戦いで燃えてしまうことを惜しいとおもったため。
新政府となる維新側に未来を託したいえる。
この一件で黒田は榎本に対して敬意の念を抱いき、死なすには惜しいと思わせた。
このエピソードがのちに新政府に登用されたことにつながる。

また負けるとわかっていても幕府への忠誠心を最後まで貫き通す義理堅さが見える。
戦いに敗れたあと収監され、「処罰」か「登用」かという状態でも、「二君に仕える気はない」と言った。

牢獄の中でも日本の未来のためにと、色々なものの製造方法などを伝えた。
「海律全書」の件といい、常に日本の事を考えていた人物であったわけです。

他の本も読んでみたいと思わせる人物です。
ちなみにオランダ語、英語、ラテン語等5、6カ国語を使いこなせた語学の天才でもありました。

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