総務実務

雇用契約書は電子契約OKだけど、労働条件通知書は電子発行NG←2019年4月からOKに!

更新日:


WordとExcelを連携させて、「労働条件通知書 兼 雇用契約書」を作成する方法の記事を書きました。
労働条件通知書をWordの差し込み印刷とExcelで作成する方法

ただ本当は電子契約にしたかったんですよねー。
でもできない理由がありまして、とりあえず断念。

2019年4月解禁になりました。
「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について(厚生労働省)

電子契約にできない理由

現状うちの会社では、契約社員とは「雇用契約書 兼 労働条件通知書」を契約更新ごとに取り交わしを行っています。

短いものだと3ヶ月更新なので頻度が高い。
また外部に派遣している社員もいますので、担当者がその都度行く必要があります。

電子上で完結できればいいじゃないかと思い調べてみると、「雇用契約」は電子でもOKですが、「労働条件通知書」は【書面】で交付することが義務付けられているとのこと。

つまり「労働条件通知書」が電子化できないわけです。

雇用契約書と労働条件通知書について

簡単に【雇用契約書】と【労働条件通知書】について説明しておきましょうかね。

【雇用契約書】は書面化は「任意」。
書面化する場合は双方の合意が確認できる形に落とし込むのが一般的。

【労働条件通知書】は書面化が「必須」。
一方的な通知でOK。

雇用契約書

民法第623条で「雇用は、当事者の一方が相手方に対して労働に従事することを約し、相手方がこれに対して報酬を与えることを約することによって、その効力を生ずる。」
と書かれており、取り交わす契約書です。

労働条件通知書

労働基準法第15条第1項に「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と規定されており、書面で明示する必要があるために作成する書類です。

労働条件通知書に明示する事項

明示すべき事項は労働基準法施行規則第5条第1項に規定されています。

(1)労働契約の期間に関する事項
(2)就業の場所及び従業すべき業務に関する事項
(3)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項
(4)賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
(6)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項
(7)臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金額に関する事項
(8)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
(9)安全及び衛生に関する事項
(10)職業訓練に関する事項
(11)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
(12)表彰及び制裁に関する事項
(13)休職に関する事項

電子契約サービスの2つの候補

電子契約は現状断念したわけですが、以下の2つが候補でした。

クラウドサイン

クラウドサイン
電子契約の先頭を走る会社ですかね。
2018/09/04現在で累計契約締結件数が、35万件を突破したということで、かなりの利用件数があるサービスです。
契約であればすべてできるとのことなので、雇用契約を行う事は可能です。

料金プラン

フリープラン スタンダードプラン 連携プラン
月額固定費用 0円 10,000円
契約書送信件数ごとの費用 0円 100円
ユーザー数 1名 無制限
契約書送信件数 月10件まで 無制限
備考 テンプレート機能、テンプレート管理機能
ユーザー管理機能、横断検索機能、共有メール機能
メッセージ追加機能、長期署名機能
内部統制機能、電話サポート
Box 連携 / kintone 連携 / Salesforce 連携
詳しい内容はお問い合わせください

サービスの流れ

サイトで紹介している流れはこちら

①契約書の準備
あらかじめ当事者間にて契約条件について合意した上で、契約書(PDF形式)をクラウドサインへアップロードし、押印・署名などの場所を指定した上で送信します。
(説明ではCSVをアップロードすることで一括作成することも可能とのことでした)

②取引先への確認依頼
クラウドサインから取引先に確認依頼のメールが送付されます。送信者側では契約書の閲覧、進捗状況の確認、確認依頼のリマインドができます。

③取引先による押印
取引先の担当者がクラウドサイン上で押印します。この際取引先がクラウドサインのアカウントを持っていなくても、契約の締結が可能です。

④契約作業は完了
クラウドサインならたった3ステップで面倒な契約作業を完了することができます。

詳しくはこちら↓

SmartHR

SmartHR
入退社手続き、扶養変更、住所変更、年末調整などをWEB上で行えるクラウドサービスです。
雇用契約をオンライン上で完結させる機能も持っています。
フォーマットのカスタマイズが可能なので、自社で利用しているものをそのまま使うことが可能とのこと。

①送る契約書を選ぶ
管理者が入社予定者に、送付の宛先に応じた雇用契約書のフォーマットを選びます。

②従業員を選んで送信
契約書のフォーマットを決めたら送り先の従業員を選んでメール送信します。

③PC・スマホで署名
従業員は受信したメールから、署名していけば作業が終わります。

詳しくはこちら↓

料金

SmartHRにはフリープランがあります。
有料プランの場合、月払いプランだと1名あたり600円ですが、雇用契約機能は1通単位で別途料金がかかります。
ただ大量に使うユーザー様向けのお得なプランもあるとのことです。

まとめ

労働条件通知書も電子データでOKになってくれないものですかね。
↑2019年4月から解禁です。

03投稿記事下_関連コンテンツ

-総務実務
-

Copyright© 経理と総務の効率化 , 2024 All Rights Reserved.