これまでの記事
予算作成の目的と必要性-予算作成入門①
予算を作成するにあたり押さえておきたい3つのポイント-予算作成入門②
人件費予算と施設(固定資産)予算ー予算作成入門③
予算試算シートはこちら→予算試算シート
経費(減価償却費以外)を作成する
作成する部分
A 固定費/共通
B 準固定費/共通
C 不測費/共通
過去1年間の実績データを用意します。
予算作成を1月に始める場合、直近12か月(昨年度01月~今年度12月)の実績データを使います。
なぜ3つに分けるのか?
「固変分解」という考え方があります。
発生する原価を勘定科目ごとで「固定費」と「変動費」に分類します。
「固定費」とは売上の増減に関わらず一定に発生する費用。
「変動費」とは売上に比例して増減する費用。
基本的には中小企業庁の「中小企業の原価指標」を参照して分類すると良いですが、実際に「固変分解」しようとしても、勘定科目ごとでは分解しきれないものも多いです。
そこで「固定費」を「準固定費」や「不測費」といった分類を設けて、予算に作成に柔軟性を持たせるようにします。
イメージとして、左から右にほど管理が可能な費用ととらえてください。
「共通」についての説明
A~Dの「共通」とは共通費のことで、発生する費用が売上と対応関係が明確でない費用です。
例えば、事務所家賃や水道光熱費などがそれにあたります。
売上と売上に対応する費用は、F列の個別収支で記載します。
A 固定費/共通
固定費には家賃や水道光熱費、通信料のように毎月ほぼ一定額発生するものがあります。
これらの費用は1年前と金額が変わっている場合もありますので、直近の数字を使うのがいいです。
固定費には毎月固定で発生する費用の他に、協会費や年払いの保険料のように半年や年に1回発生するものあります。
そのため直近12ヶ月のデータを利用した方がいいわけです。
B 準固定費/共通
「旅費交通費」や「接待交際費」は「中小企業の原価指標」では、「固定費」に分類されます。
しかし「旅費交通費」には電車賃やタクシー代など色々なものが混じっており、一律に固定費にしてしまうにはどうかなと思うので、「準固定費」にしています。
また「接待交際費」は、管理可能がしやすい費用です。
それを前期にならって固定化にするべきではないと私は思っていますので、「準固定費」にしています。
これらの毎月発生するけども、時期により金額の増減が激しい費用については、費用は1ヶ月間だけを見るのではなく年間発生額で見た方がいいです。
C 不測費/共通
イレギュラー的に発生する費用や、講習会などの管理が可能な費用について不測費として分類します。
部門の判断で何かシステム等を新規導入したい場合、ここで予算調整を行うと良いです。
このように費用を仕分けして細分化して、経費予算を作成していきます。
またこの作業を通じて見直し可能な費用がないか確認します。
まとめ
これは私の会社の場合です。
準固定費を設けなくてもいいという会社もあると思います。
逆により細かく項目を設けたいという事もあるかもしれません。
そのとき大事なのは、その項目別についてきちんとした説明ができるかです。
作成する立場の人が作成しやすいものを提供することを忘れないようにしましょう。