為替手形
為替手形とは、「自分ではなく、期日になったら、あの人からお金を受け取れます」という証券のことです。
為替手形 | 約束手形 |
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振出人 受取人=指図人 引受人=名宛人=支払人 |
振出人=支払人 受取人=名宛人 |
図内にも描かれていますが、
約束手形:振り出した人 = 支払人
為替手形:振り出した人 ≠ 支払人 = 引き受けた人
明確に役割が違います.
加えて、約束手形にはいなかった「引受人」が出てきます。
為替手形が発行される場合は、会社間で以下のような関係になっています。
図で表すと・・・
このような状態であれば、A社としてはB社とC社で手形のやり取りをしてもらうと楽です。
A社はC社は承諾してくれたら、B社に対して為替手形を振り出すことができます。
「自分(A社)ではなく、期日になったら、C社さんからお金を受け取ってね」とB社さんに為替手形を渡すのです。
例題:A社は、仕入先B社に対する買掛金が100円の支払のために、得意先C商店の承諾を得て為替手形を振り出し、B社に渡した。
変わった点
1.B社への買掛金(支払義務)がなくなる。
2.C社からの売掛金(受取権利)がなくなる。
注意点:為替手形の振り出したが、「支払手形」や「受取手形」は出てきません。
B社は為替手形を受け取りました。
変わった点
1.お金を支払ってくれる対象が、A社からC社へ。
2.売掛金から受取手形に。
C社はA社からB社への支払依頼をされました。
変わった点
1.お金を支払う対象が、A社からB社へ。
2.買掛金から支払手形に。
少し複雑そうに見えますが、ステップを踏んで解けば難しい事はありません。
最初のうちは「図」を書くことをおすすめします。
1.○を3つ描きます
2.それぞれに「振=振出人」「受=受取人」「引=引受人」を書き込みます。
3.文章の最後を読んで、「振り出した」「受け取った」「引き受けた」のどれで終わっているかを読み取ります。
ほとんどの場合、文章の最初に出てくる人が文章の最後につながります。
「文章の最初に出てくる人=自分=仕訳の主体」
文末が「振り出した」の場合、売掛金と買掛金が減少する仕訳。
文末が「受け取った」の場合、受取手形が増加し、売掛金が減少する仕訳。
文末が「引き受けた」の場合、支払手形が増加し、買掛金が減少する仕訳。
為替手形は重要ですので理解しておきましょう。
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