当座預金とは
1.預金の引き出しに小切手や手形を利用する
2.利息がつかない
※簿記3級で押さえておくべきは、1の特徴である仕入代金等の決済機能です。
実際のお店間での取引では、硬貨やお札で取引をすることはあまりありません。
支払いが多額な場合、それをその場で現金を用意して支払うというのは大変です。
そこで「小切手」を使って「当座預金」を通じて支払いをする方法があるわけです。
このように「小切手」に金額を記入して支払いをする事を「振り出す」といいます。
小切手の決済フロー
①A社はB社から100円仕入をし、代金を小切手で渡した。
②B社は小切手と通帳を持ってZ銀行へ行く。
③Y銀行はA社の「当座預金」から100円をB社へ支払いをする。
「小切手」を利用した場合の決済フローを図で表すとこうなります。
仕訳にすると
『A社はB社から100円仕入をし、代金を小切手で渡した』
「他人振出小切手」と「自己振出小切手」の違い
現金の項目で「他人振出小切手」が出てきました。
この項目で説明していた「小切手」というのは「自己振出小切手」です。
「他人振出小切手」と「自己振出小切手」の違いをきちんと理解しておきましょう。
「自己振出小切手」はA社(自己)がB社(他人)に支払いをするために、A社(自己)が振り出しした小切手です。
「他人振出小切手」はA社(自己)がB社(他人)より支払いを受けるために、B社(他人)が振り出した小切手です。
「他人振出小切手」を受け取った決済フローは以下の図解なります。
つまり、B社(他人)から受け取った「小切手」を銀行に持ち込むとB社(他人)の「当座預金」からお金が振り込まれます。
次の取引を場合
『A社はB社(他人)に商品を100円で売上、代金を先方振出の小切手(他人振出小切手)で受け取った』
「他人振出小切手」が出てきたときの注意点
簿記の問題では以下のような文章で出題されると事があります。
『A社はB社(他人)に商品を100円で売上、代金を先方振出の小切手(他人振出小切手)で受け取り直ちに当座預金に預け入れた』
問題に『直ちに当座預金に預け入れた』、『すぐに当座預金に預け入れた』と入っている場合、仕訳は以下のようになります。
厳密に仕訳をするのであれば
となりますが、直ちに当座預金に預け入れるので
となり、
となるわけです。
「自己振出小切手」の支払いを受けたら
もしB社がA社から受け取った「小切手(A社振出)」をA社への支払いで利用した場合はどうなるか?
最初の小切手を振り出した時の仕訳
『A社はB社から100円仕入をし、代金を「小切手(A社振出)」で渡した』
B社は「小切手(A社振出)」を銀行へ持って行かず、「小切手(A社振出)」A社への支払いで渡します。
その場合、A社の当座預金からはお金は引き落とされないまま、「小切手(A社振出)」はA社へ戻ってきます。
『A社はB社に商品を100円で売上げ、代金を「自己(A社)振出小切手」で受け取った』
図で表すと
小切手を渡した時に当座預金が減る仕訳をしていますので、小切手が戻ってきたら、当座預金が増える仕訳をするわけです。
簿記3級の問題ではしばしばこのような問題が出てきますので、その小切手が「自己振出小切手」なのか、「他人振出小切手」なのかをきちんと押さえておく必要があります。
「当座預金」は貸借対照表の資産項目に記載されます。
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