読書のメモ書き

理想の上司を作る方法

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「隠蔽捜査シリーズ」をプレゼントしましょう。
影響されやすい人だったら一週間後には竜崎のような上司ができあがりです。

今私の中で一番面白いシリーズ小説は「隠蔽捜査シリーズ」です。
最初のシリーズが出たのが2005年9月なので今更はまっているのかというファンからは突っ込まれそうですが。

上司にビジネス書籍なんてプレゼントしたら、嫌われます。
内容にもよりますが、上司に対してのあてつけのように思われるでしょう。
それに対して「小説」であれば、純粋に面白いからプレゼントされたんだなと思うでしょう。

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隠蔽捜査シリーズの第4段。
ドラマ「ハンチョウシリーズ」で有名な今野敏さんの作品です。
といってもこの「隠蔽捜査シリーズ」もドラマ化にもなっていますし、吉川英治文学新人賞や山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞している作品なので、評価としてはこちらの方が上かもしれません。

ストーリー
2人の外務官僚の変死事件が発生。
捜査をめぐり本庁からの無茶な要求。
加えて捜査をめぐり他省庁との対立。
さらに変死事件の被害者が外務官僚という事で、外務省もからみ事件は複雑に。

主人公について。
主人公:竜崎伸也
一作目は警察庁長官官房総務課課長。警視長。
二作目以降は大森署署長。警視長。

wikipediaからの引用

私利私欲とは無縁で、国家公務員としてあるべき姿を、そして、原理原則に忠実な官僚。周囲からは「組織の犬」「変人」と陰口を叩かれているが、逆に「自分の為」というのが無く官僚としても優秀である為、部下からも上司からも信頼は厚い。

感想とまとめ
警察は警察庁という庁であり、厚生省や外務省は省である。
組織の上下関係で言えば、省が上で庁が下である。
省は庁を下に見ているので、問題が発生した場合、庁へクレームが出る。
たとえ警察が純粋な捜査をしていたとしても、それが省の邪魔になればクレームを言ってくる。

竜崎は組織内の慣習的身分制を無意味なものだと思っている。
その枠組みが警察組織内から、他の省庁に広がっても考えは変わらない。
変人と呼ばれるほどの合理的考えに最初は戸惑っていた者、反発していた者たちも、最終的には竜崎に対して一目を置いていく。
もちろんそれだけで一目置かれる存在になるわけではなく、それを土台とした捜査管理能力の高さにある。
組織や階級が壁になり生じている無意味なナバワリやプライドを排除し、合理性のもと意思決定の仕組みや情報集約していく中で、捜査が進展し解決を見せていく。

理想的な上司です。
竜崎の原理原則を行動の指針とし、物事の本質を見極め一番シンプルな方法を選択し決断します。
そこに私利私欲やプライド、ナワバリなどはありません。
ただ、相当レベルの高いことを求められますし、人情味がある人物像ではないので、ゆるいのが好きな人は向かないでしょうね。

ただ相当な能力者なので、能力がないのに竜崎的な仕事をされると、多分めんどくさいです。
とにかくおすすめの小説です。

もし読むのであれば、シリーズ1から読む事をお勧めします。

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