選挙

分析好きにはたまらない選挙の楽しみ方。選挙の仕組みに見える組織内闘争

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今回の選挙に大義がないとは言うけれど、決まったものはしょうがない。
まぁ大義が「ない」というのは「ない」側の論理で、「ある」という人もいるわけで。

でも選挙って面白いですよ。
何が楽しいって自分なりの当落予想をすること。
そんなもの専門家じゃないとわかるわけないじゃんと思われるかもしれませんが、まぁそうでしょう。
私の場合、誰にならったわけでもなく今回の出馬リストと前回の当選リストを眺めて勝手に仮説を立てているだけですけど。

ずーっと眺めていると色々なものが見えてくるんですよね。
当選が確実な人、激戦の地でなるであろう選挙区、同じ政党同士での争いなどなど。
それらを想像する、まぁ楽しい。
ということで、私なりの楽しみ方を紹介します。

衆議院選挙について

まずは基礎知識をかなりアバウトな感じで説明しますと。

衆議院の選挙制度は「小選挙区比例代表並立制」といって、で「小選挙区選挙」と「比例代表選挙」を並行して行う制度です。
小選挙区選出289名、比例代表選出176名、計465名が当選します。

小選挙区は、選挙区で有効投票の最多数を得た者が1名当選します。
これはわかりやすいの特に説明は必要ないですね。

比例代表方式

比例代表方式は、比例ブロックでの得票数に応じて議席を配分する方式です。
ちなみに比例ブロックは北海道、東北など全国で11に分かれています。ちなみにブロックごとで配分される議席数は異なります。

選挙区 定数 区域
北海道 8 北海道
東北 13 青森,岩手,宮城,秋田,山形,福島
北関東 19 茨城,栃木,群馬,埼玉
南関東 22 千葉,神奈川,山梨
東京 17 東京
北陸信越 11 新潟,富山,石川,福井,長野
東海 21 岐阜,静岡,愛知,三重
近畿 28 滋賀,京都,大阪,兵庫,奈良,和歌山
中国 11 鳥取,島根,岡山,広島,山口
四国 6 徳島,香川,愛媛,高知
九州 20 福岡,佐賀,長崎,熊本,大分,宮崎,鹿児島,沖縄

さて小選挙区で当選するのは1名と書きましたが、2番目でも3番目でも当選する可能性はあります。
それは比例代表との重複立候補している場合です。
衆議院議員選挙の比例代表の場合、「小選挙区選挙」と「比例代表選挙」に重複して立候補できます。
ただし、公職選挙法上の政党要件を満たしていない「その他の政治団体」から立候補した場合、重複立候補はできません。
つまり政党から立候補する方が断然有利なのです。

比例名簿には順番があり、早い順番ほど当選しやすくなります。
ただし複数の重複候補者を同一順位にできます。
その場合、小選挙区における当選者の得票数に対する落選候補者の得票数の割合(惜敗率)を求め、惜敗率の高い候補者から比例名簿の順位が決められます。

惜敗率

惜敗率とは、その候補者の得票数を同一選挙区で最多得票選者の得票数で割ったものです。
第47回衆議院員総選挙での大阪4区を例に説明しましょう。

ここでは4人が立候補をしました。

当落 候補者名 所属党派 得票数 惜敗率 比例重複
中山泰秀 自由民主党 82,538票 --
比当 吉村洋文 維新の党 74,101票 89.78%
比当 清水忠史 日本共産党 31,478票 38.14%
吉田治 無所属 24,213票 29.33% ×

この場合トップの中山さんの票数が82,538で、2位の吉村さんの票数が74,101です。
よって、74,101÷82,538=89.78%となるわけです。
吉村さんの場合は、比例に重複立候補をしているのもあり当選しています。
ちなみに清水さんは惜敗率が38.14%で当選しています。

ちょっと大阪3区を見てみましょう。
2名のみが出馬して一対一の構図です。
得票数は63,529票で、惜敗率は74.79%と3区の清水さんよりも上です。
しかし、比例代表での重複立候補をしていないので当選はしていません。

当落 候補者名 所属党派 得票数 惜敗率 比例重複
佐藤茂樹 公明党 84,943票 --
渡部結 日本共産党 63,529票 74.79%

じゃあ、比例重複であれば当選は固いんじゃないかねと思うかもしれませんが、もちろん落ちるケースもあります。

大阪2区を見てみましょう。

当落 候補者名 所属党派 得票数 惜敗率 比例重複
左藤章 自由民主党 78,326票 ーー
椎木保 維新の党 56,025票 71.52%
山本陽子 日本共産党 34,184票 43.64%

2位の椎木さんは重複立候補しています。
惜敗率も大阪4区の清水さんより高いです。
しかし、落選しています。
これは比例復活ができる人数は政党の総得票数が関係しているからです。
あっ、2区の山本さんの惜敗率43.64%で、同じ共産党の清水さんの38.14%より高いのに比例重複していないから落選していますね。
山本さん的にはどうなんでしょうか?
清水さんに思うところはないのでしょうかねぇ

ドント式

比例で当選する人数がどのように決まるのかを説明しましょう。

第47回衆議院員総選挙の近畿ブロックでの各政党の比例代表を例に説明します。(他にも党はありますが、当選者がいないため除外)
衆議院議員比例代表選挙では、ドント方式という、各政党の総得票数をそれぞれ1,2,3・・・と自然数で割り、得られた得票数の大きい順に議席を配分する方法で決められます。

政党 自民 ※2 民主 ※2 維新 ※2 公明 ※2 共産 ※2
※1 2,442,006 1,047,361 2,202,932 1,236,217 1,084,154
÷1 2,442,006 1 1,047,361 7 2,202,932 2 1,236,217 3 1,084,154 6
÷2 1,221,003 4 523,681 14 1,101,466 5 618,109 10 542,077 13
÷3 814,002 8 349,120 21 734,311 9 412,072 17 361,385 20
÷4 610,502 11 261,840 29 550,733 12 309,054 24 271,039 28
÷5 488,401 15 209,472 440,586 16 247,243 216,831
÷6 407,001 18 174,560 367,155 19 206,036 180,692
÷7 348,858 22 149,623 314,705 23 176,602 154,879
÷8 305,251 25 130,920 275,367 26 154,527 135,519
÷9 271,334 27 116,373 244,770 137,357 120,462

※1政党総得票数
※2総順位

ちなみに今回の選挙では当選者が1人減り28名になりました。
仮に前回も28人だったとした場合、29番目の人は当選しませんので、民主党は3人しか当選しなかったことになります。
では政党ごとに何人比例で当選できるかが決まりましたので、惜敗率で政党内で誰を当選させるのかを見ます。

維新だけの惜敗率を見てみましょう。

除数 順位 議員名 名簿順位 惜敗率
1 2 小沢鋭仁 1
2 5 足立康史 2 95.54%
3 9 木下智彦 2 93.24%
4 12 吉村洋文 2 89.78%
5 16 浦野靖人 2 86.31%
6 19 上西小百合 2 83.49%
7 23 松浪健太 2 81.84%
8 26 伊東信久 2 78.89%
椎木保 2 71.52%

当選しているのは除数8までの伊東さんで、惜敗率は78.89%です。
椎木さんが当選するには79%必要とした場合、得票数として61,877票、あと5,853票必要だったということになります。
約1.1倍の得票が必要となるので、なかなかハードルは高いです。
ただ椎木さんは除数4番目の吉村さんが大阪市長選に立候補して議員を辞めたため、繰り上げ当選しました。
ちなみに名簿順位1位の小沢さんは小選挙区には立候補せず、比例単独で出馬して当選しています。

小選挙区に出馬している人たちはみんな2位なので、惜敗率で同じ政党内で争う必要があるわけですが、名簿1位は政党の人気があれば当選できてしまいます。
大阪を含む近畿ブロックでの維新の比例名簿1位ですから、かなり優遇されていますね。
椎木さんとしては小沢さんのせいで比例当選できなかったわけですから、腹立たしでしょうけど。
ちなみに小沢さんは今回の選挙で「希望の党」移ってしまいました。
比例名簿1位がもらえなかったからですかね。

まとめ

今回は選挙制度について説明してみました。
実際の結果を見ながら説明すると当落の境界線が見えて楽しくないですか?
まぁ本人にしたら必死なんで楽しいとか言ってんじゃねぇよって感じでしょうけど。

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