経理実務

保険外交員さんから聞いた財務諸表の一つの見方

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Retirement Savings / Tax Credits

言われてみれば確かにそうだよなという話。
経理仕事してるのにそんな事知らないの?と言われてしまうかもしれないですが・・・

私の会社では退職金制度があります。
退職金は2つからなっており、1つは生命保険会社の養老保険。もう一つは中小企業退職金共済。

今回の話は養老保険での退職金の話です。

A.養老保険とはどういう保険なのか?

1.満期時に生存時は満期保険金(死亡保険金と同額)が受取れる。
2.満期保険金を受取る前に亡くなった場合(受給資格が満たされた場合)、満期保険金と同額の死亡保険金を受取れる。

養老保険と退職金がどう関係あるか?

上記の1で説明したように養老保険は満期時に被保険者が生存している場合、満期保険金が受け取れます。
この満期保険金が退職金支払いの原資となります。
また途中退職をした場合は、養老保険が解約されますが、一定期間の加入している場合、解約返戻金を受け取れます。
この解約返戻金が退職金支払いの原資となります。

養老保険支払時の経理処理

養老保険は貯蓄性の高い保険です。
ですので、契約の方法によって処理が変わります。

No 契約者  死亡保険金   満期保険金    経理処理
1 法人   法人      法人     資産計上
2 法人   遺族      社員      給与
3 法人   遺族      法人     1/2損金、1/2資産計上

上記を見てもらえばわかるように死亡保険金を誰が受け取るか、満期保険金を誰が受け取るかで、経理処理は異なります。
通常退職金制度では、3で契約をします。
仕訳だと
保険積立金 5,000 / 現金預金 10,000
福利厚生費 5,000

ではこの仕訳がB/S、P/Lのどこに載るかというと

貸借対照表は項目の並び順として、上から下へ行くほど流動性が低くなると考えます。
流動性の低い高いというのは、換金性のしやすさをいいます。
流動性が高い方が換金しやすいです。
現金や預金は流動資産の高い資産です。
そのもので購入や支払ができるので、流動性がもっとも高いものと言えます。

借方側の資産項目は流動資産、固定資産、投資その他の資産と並んでいます。
保険積立金は投資その他の資産に記載されます。
つまり流動性が低いという事です。

この保険積立金というのは、退職金を支払う原資となります。
ですので、社員が会社をやめても規定に基づいた退職金を支払うために用意しているものです。
つまり簡単に換金できるものではありません。
ただし、解約すれば解約返戻金が即座に入ってきます
加入して期間の経っている保険は、満期時もしくは解約時に戻ってくるお金は帳簿上よりも大きい金額になります。
わかる人が見ると、「この会社は保険積立金をこれだけもってるんだな」となるそうです。

まぁ一時しのぎのために解約して返戻金を得たとしても、将来の退職金支払時に困るし、第一簿外債務になるから現実性があるかというとあまりないと思いますが。
でも会社がつぶれそうになった時に、保険積立金を取り崩さずに会社がつぶれるのを待つか、退職金規定を見直して、会社を存続させるか?
どちらにしてもハードルは高いですけど、手段としては一つ頭に入れておきたいものですね。

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