勘定科目 簿記3級

勘定科目:「売上」と「売上に関係する仕訳」

投稿日:2013年2月4日 更新日:


「売上」と「売上に関係する仕訳」

簿記試験では、仕入や売上の仕訳は「分記法」でやりなさいという指定がない限り、「三分法」で行います。
三分法については、こちらで確認ください。⇒簿記3級のポイント「三分法」と「分記法」
以下の説明も三分法を前提に説明をします。

売上取引

例題:商品を100円売上げ、現金で受け取った。

実際の商取引では、売上のつどお金のやり取りをするのは手間です。
多額の現金をお店の中に置いておかなければならず、防犯上も危険です。
また小切手による受取でも大丈夫ですが、実際の受け渡しがあるので、それもまた手間です。

そのため多くの商取引では、継続的に同じ取引先に売る場合、一定期間の売上代金を後でまとめて受け取る方法があります。
この「一定期間をまとめて後で」支払ったり受け取ったりする事を掛けと言います。

一定期間の売上代金を後で受け取る権利を「売掛金」
一定期間の仕入代金を後でまとめて支払う義務を「買掛金」
と言います。
※「買掛金」については、簿記3級で出る科目「仕入」と「仕入に関係する仕訳」で説明しています。

例題:商品を100円売り上げ、代金は掛けとした。

例題:掛けで売り上げた商品代金100円を現金で受け取った。
例題:掛けで売り上げた商品代金100円を小切手で受け取った。

どちらも同じ仕訳です。

例題:掛けで売り上げた商品代金100円を小切手で受け取り、すぐに当座預金へ預け入れた。

このように売掛金は資産ですので、売り上げた時は貸方に、お金を受け取った時は借方に記入します。
代金を掛けとした場合、貸借対照表の資産に記載されます。

売上にかかる値引き、返品が発生した場合

売り上げた商品に傷があったり、品違いがあったりした場合、商品を返品された値引きしたりします。
その場合、売上の仕訳を取り消します。

例題:掛けで売り上げた商品100円のうち、20円分が品違いであったため返品された。
例題:掛けで売り上げた商品100円に、汚れがあったため20円の値引きを依頼され受けた。

どちらも同じ仕訳です。

売上諸掛り

商品を売り上げるときに、商品代金とは別に運送料などの費用が発生する場合があります。
これらの費用を売上諸掛りといいます。
これらは仕入とは異なり、発送費(費用)として処理します。

例題:商品100円を掛けで売上、運送料10円を現金で支払った。

なぜ売上に発送費を含めないのか?

ここが仕入の取引と異なる部分です。
仕入の場合に発送費を負担する場合、「仕入」に含めて処理することができましたが、「売上」では売上に含めることはできません。
それはなぜなのか?
理由はとても単純です。
「仕入」、「発送費」は費用、「売上」は収益だからです。

仮に「仕入100円」、「発送費10円」、「売上100円」として、費用をマイナス、収益をプラスとして発送費を仕入、売上それぞれに含めた場合を式にしてみると

仕入-100円(費用)+発送費-10円(費用)=-110円(費用)
売上100円(収益)+発送費-10円(費用)=90円(収益)

費用の場合、仕入にかかる費用も仕入として含めていいわけです。
それに対して、売上に配送費を含めると収益の金額が減り、費用の金額はわからなくなってしまいます。

少し難しい話になりますが、企業会計原則の中に「総額表示の原則」というものがあります。
「費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない」

簡単に言うと「費用と収益を直接相殺しちゃダメ」ということです。

売上諸掛りを販売先が負担する場合

この売上諸掛りは当店が負担する場合は、発送費で処理しますが、販売先に負担してもらう場合もあります。
その場合で、販売先が負担すべき売上諸掛りを当店が立替えて支払っておくことがあります。
この場合あとで販売先から、立替えた金額を受け取ります。
このように「立替えた金額を受け取ることができる権利」は立替金(資産)といいます。
立替金は資産なので、増加したら借方に、減少したら貸方に記入します。

なお、販売先負担する売上諸掛りは、立替金で処理するほか、販売先に対する売掛金に含めて処理方法もあります。
どちらで処理するかは問題文の指示に従ってください。

例題:商品100円を掛けで売上、販売先負担の運搬費10円を現金で支払った。なお、販売先負担の売上諸掛りは立替金で処理する。

商品100円を掛けで売上、販売先負担の運搬費10円を現金で支払った。なお、販売先負担の販売諸掛りは売掛金に含めて処理する。

問題でどちらが負担するかという指示が特にない場合は、当店が負担するものとして仕訳します。

練習問題⇒  PDF版   web版 

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